標準予防策は,感染症の有無に関わらずすべての患者のケアに際して全てに適用する予防策である。標準予防策は,利用者様の血液、分泌物、排泄物、あるいは傷のある皮膚や,粘膜感染の可能性のあるものとして対応することで,利用者様と現場担当者双方における感染の危険性を減少させる予防策である。
◎手指消毒
1処置、1手洗いを基本とする。石鹸を使い充分に手洗いをし、水で洗い流す事によりウィルスは大幅に減少する。手を拭く際にはペーパータオルで都度使い捨てるか個人用を用意する。
ヘルパーさんとして活動しているなかでの基本の対策です。消毒液だけする方がいますが、必ず手洗いをしてから消毒液を使用してください。
☆皆さんで手洗いの手順を実践☆
●汚れが残りやすいところ●爪の間や親指周り、手首、手のしわなどを念入りに●手のひらをよくこする●手の甲を伸ばす様に擦る●親指と手のひらをねじりながら洗う●手首も忘れずに●30秒が目安です
◎環境対策・リネンの適切な取扱い
リネンは血液体液分泌物や排泄物が付着するので基本的に本人用と別処理が望ましい。
※感染性胃腸炎などは効果のある洗浄消毒液を使用する。次亜塩素酸ナトリウムが効果的。家庭用だとキッチン用のハイターが良いが洗濯用は酸素系なので効果はない。感染性胃腸炎の可能性がある場合、下痢便や嘔吐物の処理には撥水加工のある使い捨てできるエプロンが良い。
感染予防について・個人情報保護法について2020.02.19 ヘルパー研修会及び勉強会
講師: 訪問看護リハビリステーション リライフ
管理者:野口恵子氏 看護師:尾仲亮良氏
今の時期にとても為になった。気になっていたことが聞けて良かった。との声をいただきました。
◎防護具の適切な使用(使い捨てエプロン)
使用後の処理方法として、飛散したものを触らないこと。エプロン表側は汚染面なので触れないように。
●首の部分を持って身体の前に強く引き、首ひもを切る●エプロンの表側が内側になるようにして腰ひもの高さまで二つ折りにする●表側を触らないように注意しながら両手でエプロンの裾をすくい上げる●表側が内側になるようにまとめる●引っ張り丸めて捨てる
◎手袋(使い捨てグローブ)
●外す時は片方の手袋の袖口を掴む●掴んだら手袋を裏表逆になるように外していく●手袋を外した手を反対の手袋の袖口に差し込む●裏表逆になるよう外す●外した手袋はすぐに破棄する
◎呼吸器衛生・咳エチケット(マスク) マスクを外す時は、手で汚染面(外気に触れている面)を触れないように注意する。 ●外す時は、耳かけから外す。その後、手洗い・手指消毒を行う。 ※自分達が触ってしまって他の利用者様に感染させてしまうルートにならないようにするのが大事
<<個人情報保護法について>>
リライフの田中氏作成の資料を配布
訪問介護の現場では、利用者様の個人情報も知り得る事も多いので、個人情報の取扱には十分注意することが必要である。
1988年に個人情報保護法が公布されたのは当初行政機関向けだったが2005年に民間も含め全面施工となり「プライバシーポリシー」ともいわれ病院等でもホームページなどに掲載され始めた。
2017年に個人情報保護法が改定され、スマートフォンやインターネット等の情報通信技術がかなりのスピードで発達し、当初想定されなかった様々な問題が出てきて国民の安全、安心の向上を実現するために改定された。
※小規模事業者も対象となる(以前は5,000件以上規模の事業者のみ)
※取扱業者の記録の義務化
※オプアウト(当事者の同意があれば個人情報の利用ができる)による第三者への情報提供の明確化
☆今回の改定で現場の方々が知るべきポイント☆
※ 個人情報の内容を正確に理解しておく(生存する個人に関する情報で氏名・生年月日など)
※ 本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、本人に対する不当な差別、偏見などその他の不利益が生じないように取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報に注意する
・社会的身分⇒出身地、非嫡出子であることなど
・病歴⇒過去の病歴については、現場の方々には重要情報ですが取扱いは慎重に。
≪新型コロナウイルスを防ぐには≫
厚労省からの資料とともに、質疑応答していただきました。標準予防策を徹底し、自分を守り、利用者さんを守っていけるように。利用者さんに症状があれば、必ず報告をしてください。情報を周知し、気をつけてもらいたいと思います。リライフの皆様、ありがとうございました。