◆井上講師の生い立ち
生まれて間もなく皮膚の病気で注射をし、耳に影響がありその後聴力を失ってしまう。
後にろう学校に入学し声を出す教育を受けてきた。当時は手話ではなく口話教育であった。
◆聞こえない、聞こえにくい人の事をいうが、伝え方にはいろいろある
・口話教育⇒読話(相手の口の動きや表情で読み取る)
・発声
・補聴器などで訓練(以前はかなり高価で大きかった為持てる人が少なかった)
※手話教育は明治11年~昭和11年までに行われていた。
◆聴覚障碍者とは
・ろう者・失聴者
・中途失聴者…補聴器などで聞こえる方もいればそうでない方もいる
・難聴者…中途失聴者と同様
・盲ろう者…視覚も聴覚も失っている方
◆聴覚障碍者のコミュニケーション方法
・手話
・身振り
・口話(くちびるの動きによって表現する伝え方)
例えば「飴と雨」、「たまご、たばこ、なまこ」など口の動きが同じものが多数あり限界がある。
わかりづらく井上先生も喧嘩になる事があったという。以前手話は使うなと教わっていた事も。
・筆談 楷書でよみやすい字を書く。文はできるだけ短く、具体的に。流行語やカタカナなどは避ける。あいまいで誤解されやすい言い方は避ける。
*これは一切君の責任でやれ⇒ひときれなのか、いっさいなのか?「これはすべて君の責任でやれ」
*8時10分前に来て下さい⇒8時10分前なのか7分前なのか曖昧なので「7時50分に来て下さい」と伝える
・空書き(空中で字を書く)
・指文字(手のひらに指で書く)
・補聴器(人口内耳)など
◆聞こえる人との違い
・後方から声を掛けられてもわからない
・後方からの自転車のベルなど聞こえない
・WCのドアをノックされてもわからない
・FAX・メール・TV電話をよく使う
・機械等の異常音が判別できない
・乗り物の車内放送は聞こえない
・ドアを静かに開閉するのが苦手
・声の音量を調節するのに苦労する
・窓口などで呼ばれても聞こえない、わからない
・見た目だけではわからないため誤解されることがある
・お金など落し物があっても気づかない、などなど…
そうだったのか…と気付く事が多かった。
◆手話とは
・イメージなどから創られている
・見ることばである
・難しいと思わずに、どんどん使ってみる
・手の形で色々な表現ができる
・ふだんから皆が使っている身振り・手振りで、100~150語使える
手話のメリットたくさんあります!
☆美容にいい(顔の表情をたくさん使うので顔の筋肉が鍛えられるそうです)
☆リハビリの一つである(手話で片麻痺が軽減される)
☆認知症予防になる(手を使う事が良い)
☆歴史を学べる(横浜という手話は髭を剃刀で剃る仕草から生まれたそうです)
☆内緒話が出来る
☆騒音の中でも会話ができるなどなど
☆表情の豊かさ、創造力
デメリット
☆分かりづらい、覚えるのが大変など
訪問でよく使用される言葉などを手話で実際やってみました。
☆おはようございます、こんにちはなどの挨拶(指だけでも通じるそうです)
☆痛みはありませんか?
☆薬の飲み忘れはありませんか?眠れましたか?など
◆数字はそろばんから参考にされている
◆掃除、洗濯、調理、トイレなど身振りで通じる手話もたくさんあるそうで、バナナなど皆さんでどのように手だけで伝えられるかを行いました。
バナナは皮をむく動作をされた方が大半でしたがそれで通じると井上先生よりお話しがあり、難しく考えなくてもその特色をつかんで手を使って伝えることで大丈夫ですとお話しいただきました。